D. 音階・音律 いくつかの音律を聞けるようにし,かつ純正律とその他の音律の各階名音の周波数差を うなりの速さで聞き取れるるようにしました. 「D-1 各種音律」   純正律,ピタゴラス音律,ミーントーン(中全)音律,キルンベルガー音律,ヴェルクマイスター音律,ヤング音律,   平均律2種(12平均律,53平均律)でそれぞれ単独に1オクターヴの音階を示しています.   各音を正弦波1本だけで作った音階と,8成分で構成される高域減衰型の調波構造音で作った音階をそれぞれのフォルダー   「a.正弦波1本による音階」と「b.8成分音による音階」に分けました.   各音が0.5秒で8音合計で4秒の音階と各音を5秒にして8音で合計40秒の音階をそれぞれのフォルダーに入れてあります.   各音律に関する基音からの周波数比の詳しいデータを「音律表.xlsx」にまとめてあります. 「D-2 ビート音階」   「a.純正律とのビート音階」は上記の音律の中の純正律とそのほかの7つの音律との各階名音の周波数差を   耳で聴いて分かるようにしてあります.    「ド」を同一の高さにして各音律で「レ」からオクターヴ上の「ド」までの長調音階を正弦波などで作り,   純正律とそれぞれの音律の各階名音を同時に鳴らすと,差周波数の速さの「うなり(ビート)」が聞こえます.    最初の「ド」はすべての音律で共通の周波数にしてあるので,うなりはありません.    うなりがない場合,波形包絡は立上りと立下り部分を除いて平坦です.    うなりがあると,波形包絡に凹凸ができます.細かい凹凸は「速い(周波数差が大きい)うなり」です.    「D-2 ビート音階」の中の「純正律と各音律とのビート音階の図.jpg」は各音を正弦波で作った音階の加算波形の    時間包絡によって,純正律との違いを7種の音律間で視覚的に比較したものです.    例えば,12平均律と純正律との差は左最上段の図から,「ミ」と「ラ」と「シ」で大きいことが,   うなりの速さでわかります.これはbeat_H1_E12.wavやbeat5_H1_E12.wavを聞いてもわかります.   ただし,どちらが高いのかは,一方を動かしてみて,うなりが速くなるか遅くなるかを聞かないとわかりません.    左の上から2つ目は53平均律と純正律の差を表しています.これには細かい凹凸がないので,53平均律は純正律に   非常に近いことがわかります.音律によって純正律からの差が大きい音が異なることがこの図からわかります.   beat_H1_E53.wavやbeat5_H1_E53.wavのうなりは平均律のものよりもゆっくりしていることが音からわかります.   (12平均律と53平均律に関する純正律からの差についてはD-4で詳述します)    ピタゴラス音律とミーントーン音律は,オクターヴの周波数比が2から少し外れるので,上の「ド」の加算波形の包絡に   細かい凹凸があるのが観察できます.   「b.純正律からの差が大きい平均律の音」:   12平均律の階名音の中で,純正律からの違いが大きい「ミ」と「ラ」について,53平均律ではそれがどの程度改善されているかを   示すフォルダーです.詳しくは当該フォルダー内の説明ファイルを見てください. 「D-3 和音」   当該フォルダー内の「説明」を見てください. 「D-4 補足」   「うなり」によって2本の正弦波の周波数の差を聞くことに関する補足的な説明です.   そのフォルダー内の「説明」を見てください. 各音律の階名音の周波数比については「音律表.xlsx」を見てください. 各音律の構成ルールとそれを小数で記述した値(赤字)で書いてあります. 実際の周波数は周波数比に「ド」の周波数 264を掛けることによって得られます. 53平均律では純正律による長調用の「レ」と短調用の「レ」を明確に区別できることがわかります.